抗SS-A抗体・抗SS-B抗体

抗SS-A抗体・抗SS-B抗体の概要

この項目は、血液中に抗SS-A抗体、抗SS-B抗体が存在するかどうかを調べる検査です。

抗SS-A抗体、抗SS-B抗体のSSはシェーグレン症候群(Sjogren syndrome)の名前に由来しています。
このことからも分かるように、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体はシェーグレン症候群で高頻度に陽性を示すことから診断項目の1つとして用いられています。

一般的に抗SS-A抗体のほうが抗SS-B抗体よりも高頻度に認められ、抗体価も高い場合が多いです。

抗SS-A抗体は、シェーグレン症候群以外の膠原病でも陽性を示す確率が高いですが、抗SS-B抗体の場合、抗SS-A抗体よりも検出頻度が低く、シェーグレン症候群以外の膠原病で陽性を示す確率が低いため、疾患特異性が高いとされています。

また、抗SS-B抗体は単独で検出されることは稀で、通常抗SS-B抗体が陽性の場合は、抗SS-A抗体も検出されます。

シェーグレン症候群ってどんな病気?

シェーグレン症候群を簡単に解説しますと、シェーグレン症候群は 1933 年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンの発表した論文にちなんでその名前がつけられた疾患です。

シェーグレン症候群は、膠原病の1つで、中年女性に好発し、自己抗体によって唾液腺や涙腺などの外分泌腺が障害を受けることにより、口腔や眼球などの乾燥症状を特徴とする病気です。

このように、口腔や眼球などの乾燥が主な症状ですが、全身の臓器の病変を伴うこともある病気です。

シェーグレン症候群の診断基準

シェーグレン症候群診断基準(厚生労働省1999年)
1.生検病理組織所見で次のいずれかの陽性所見を認めること(リンパ球浸潤の存在)
a)口唇腺組織で4mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上
b)涙腺組織で4mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上 のリンパ球浸潤)以上  

2.口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること(唾液分泌量の低下の存在)
a)唾液腺造影でStage 1(直径1mm未満の小点状陰影)以上の異常所見 
b)唾液腺分泌量(ガム試験 10ml以下/10分,サクソン試験 2g 以下/2分)かつ唾液腺シンチグラフィーで機能低下の所見

3.眼科所見でいずれかの陽性所見を認めること(涙の分泌低下の存在)
a)シャーマー試験で5mm以下/5分,ローズベンガル試験 スコア3以上
b)シャーマー試験で5mm以下/5分,蛍光色素試験陽性

4.血清試験で次のいずれかの陽性所見を認めること
a)抗SS-A抗体陽性
b)抗SS-B抗体陽性

この 4 項目の中で 2 項目以上が陽性であればシェーグレン症候群と診断されます。

抗体と自己抗体
抗体とは、自分のカラダ以外のもの(細菌・ウイルスなどの異物、がん細胞など)を異物とみなしてこれを排除しようとする蛋白で、生体防御に重要な役割を果たしています。

自己抗体とは、免疫機能の異常により、本来異物ではない自分の成分を異物と認識して抗体がつくられ、自分自身の細胞を攻撃してしまうものです。

検査の目的

シェーグレン症候群が疑われる場合や経過観察として

参考基準値

1)抗SS-A抗体
・ 免疫拡散法 (単位:倍)
検出せず (1倍未満)
・ EIA法
10.0未満     : 陰  性(―)
10.0以上30.0未満 : 判定保留 (±)
30.0以上     : 陽  性(+) 

2)抗SS-B抗体
・免疫拡散法 (単位:倍)
検出せず (1倍未満)
・EIA法
15.0未満     : 陰  性(―)
15.0以上25.0未満 : 判定保留 (±)
25.0以上     : 陽  性(+) 

※基準値は施設ごとで異なる場合があります。

抗SS-A抗体・抗SS-B抗体が高値を示す病態

1)シェーグレン症候群
2)シェーグレン症候群以外の膠原病
全身性エリテマトーデス・多発性筋炎・皮膚筋炎・関節リウマチ など