ALP(アルカリフォスファターゼ)
ALP(アルカリホスファターゼ)

ALP(アルカリフォスファターゼ)の概要

この項目は、血液中のALP(アルカリホスファターゼ)の量を調べる検査です。

ALP(アルカリフォスファターゼ)は、体内でリン酸化合物を分解する働きのある酵素です。

ほとんどの組織に存在していますが、骨、小腸、肝臓、胎盤、腎臓に特に多く存在しています。

ALPは、γ-GTPやLAPなどと共に肝・胆道系酵素と呼ばれています。
ALPとγ-GTPが共に高値の場合は、肝胆道系疾患が疑われ、ALPのみが高い値の場合は、肝胆道系疾患以外の病気が疑われます。

ALPが高値を示す主な原因

ALPが高値を示す主な原因は、下記で説明しておりますアイソザイムの種類によっておおまかに4つが考えられます。

@ 肝・胆道系疾患
A 骨代謝疾患
B 脂肪食摂取後(血液型がB型もしくはO型の方の一部)
C 妊娠や悪性腫瘍
※詳細は、下記のALPとアイソザイムをご参考にしてください。

ALPとアイソザイム

ALPにはアイソザイムと呼ばれる、臓器由来の異なる種類のALP が存在します。
通常の血液検査で行なわれているのは、総ALP活性値となります。

ALPが高い場合、このアイソザイムを調べて病気の診断の補助として用いることがあります。
尚、健康な成人ではALP2(肝由来)、小児ではALP3(骨由来) が主体となります。

ALP1 (肝由来)

胆管が閉塞して胆汁の排出障害が起こる状態で出現し、病態としては、胆道の閉塞性疾患や肝疾患で高い値を示します。

ALP2 (肝由来)

正常成人のALPの主体がこのALP2となります。
又、肝疾患や胆道疾患で高い値を示します。

ALP3 (骨由来)

骨芽細胞(骨を作る細胞)に存在します。
よって、骨芽細胞が増殖する病気や骨腫瘍などで高い値を示します。

又、成長期の小児の場合、骨芽細胞の活動が盛んなことから、小児におけるALPの値の主体がこのALP3となります。
その他、甲状腺機能亢進症・副甲状腺機能亢進症でも高い値を示します。

ALP4 (胎盤由来)

胎盤に存在するもので、妊娠した場合(特に妊娠後期)に出現します。
妊娠後期にALPが増加する理由は、エストロゲンの分泌が亢進し、その結果、胎盤でALP4が産生されるためです。

また低頻度ながらも、一部の悪性腫瘍(肺がんや卵巣がんなど)でも見られる場合があります。

ALP5 (小腸由来)

血液型がB 型・O 型の一部の方に、脂肪食摂取後に高値を示す場合があります。
又、肝硬変、糖尿病、慢性腎不全などの病気で高い値を示します。

ALP6 (免疫グロブリン結合型)

免疫グロブリンと結合したもので、潰瘍性大腸炎などで認められる場合があります。

※甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症がALPの増加に影響を与える理由
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症のように甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、体内では、骨吸収(骨を溶かす)と骨形成(骨を作る)の両者が促進されます。
そのため、骨形成を担う骨芽細胞が活性化されているため、ALP(ALP3)が高い値となります。

副甲状腺機能亢進症
副甲状腺ホルモンは、破骨細胞を活性化させて骨吸収(骨を溶かす)を促進させて血液中のCa濃度を上げる作用があり、同時に骨芽細胞も刺激して骨形成を促進させる作用があります。
そのため、副甲状腺機能亢進症のように副甲状腺ホルモンが過剰に分泌すると、ALP(ALP3)が高い値となります。

ALPの生理的変動

年齢による変動

小児〜思春期までの成長期には成人よりも高い値を示します。
これは、骨が新しく作られるのが盛んなためで、特に骨代謝に関係のあるALP3が増加します。

その他の影響による変動

妊娠、特に妊娠後期にエストロゲンの分泌の亢進によって、ALPが高い値となります。
この場合、分娩後2〜3週後には元の値に戻ります。

検査の目的

1) 肝、胆道系疾患が疑われるときや、その経過観察として
2) 骨疾患が疑われるときや、その経過観察として
3) 悪性腫瘍が疑われるときや、その経過観察として

参考基準値  (U/l)

110 〜 350

※基準値は施設ごとで異なる場合があります。

ALP(アルカリフォスファターゼ)が異常値を示す病態

高い値を示す場合
肝、胆道系疾患
急性肝炎 ・ 慢性肝炎 ・ 肝硬変 ・ 肝臓がん ・ 原発性胆汁性肝硬変 ・ 肝膿瘍 ・ 胆管炎 ・ 総胆管結石 など

骨疾患
骨折 ・ くる病 ・ ページェット病 ・ 骨軟化症 ・ 骨肉腫 など

その他
甲状腺機能亢進症 ・ 副甲状腺機能亢進症 ・ 慢性腎不全 ・ 糖尿病 ・ 潰瘍性大腸炎 など

低い値を示す場合
甲状腺機能低下症 ・ 遺伝性低ALP血症 など

検査時の注意事項

血液型B型、O型の一部の方は食後に高い値を示すことがありますので、空腹時で採血をするようにしましょう。