妊娠と尿蛋白検査

妊娠と尿蛋白検査

妊婦検診にいかれると、毎回尿をとり蛋白が出ているかどうかを調べていると思います。

これは、妊娠高血圧症候群や腎機能の異常を早期に発見する目的で行なわれているます。

通常尿中には、微量の蛋白が排泄されていますが、スクリーニング検査で用いられる試験紙では陰性となる程度です。
尿蛋白が陽性となった場合は、妊娠高血圧症候群や腎疾患の可能性もありますので注意が必要です。

ただし、ここで注意しなければならないことがあります。
それは、1回尿蛋白が陽性となったからといって病気とは限らないということです。

健康な方でも、過労や運動後、発熱などによって一過性に尿中に蛋白がでることがあります。
また、妊娠することにより、通常時よりも尿の中に蛋白が出やすくなります。

これは、妊娠をすると腎臓にある糸球体と呼ばれる場所でろ過される血液量が増えるためで、腎血漿流量は妊娠前に比べ約30%、糸球体濾過量は約50%増加します。

このように妊娠により腎臓に負担がかかることにより、妊娠前と比べて尿蛋白が出やすくなります。

また、妊娠により腎盂や尿管が拡張しますので、その結果、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症に罹りやすくなり、その影響で尿の中に蛋白がでることがあります。

最後に、尿のとりかたも重要です。
基本的に検査には、中間尿が適しています。

中間尿とは、尿の出始めと出終わりの間の尿です。
出始めの尿は雑菌や膣分泌物が混入しやすく、尿蛋白がその分泌物によって陽性となってしまうことがあります。
そのため、より正確な検査をするには中間尿をとるようにしましょう

※上記のように、妊娠時は通常時よりも尿蛋白が出やすい状態となってはおりますが、尿蛋白が出た場合は、担当医師の意見を聞いて、カラダに負担をかけない生活を心がけましょう。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴うものをいいます。

妊娠高血圧症候群は、お母さんやおなかの赤ちゃんに様々な障害を引き起こすため注意が必要です。

検査時期と検査方法

検査時期

妊婦健診ごと

検査方法

尿のなかに検査専用の試験紙を浸して検査

参考基準値

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検査時期や基準値・検査方法などは医療機関により異なる場合があります。

※ 尿蛋白検査については、尿検査カテゴリーの「尿蛋白」にも詳しく記載してありますので、こちらもご参考下さい。